リウマチ熱・連鎖球菌感染症後反応性関節炎
●A群β溶血連鎖球菌による咽頭炎が主な原因である.
●抗菌薬出現によりリウマチ熱は激減したが,溶連菌感染と関連しているがリウマチ熱の診断基準を満たさない連鎖球菌感染症後反応性関節炎は現在でもしばしば経験される.
●連鎖球菌感染症後反応性関節炎は比較的青年〜成人に多い.心炎合併は稀であるが顕著な関節炎を来すことが特徴である.
●A群β溶血連鎖球菌による咽頭炎以外にも,C群連鎖球菌やG群連鎖球菌による咽頭炎,A群連鎖球菌による軟部組織感染症によっても急性糸球体腎炎同様,リウマチ熱が起こりうる.
●リウマチ熱と抗菌薬
▶溶連菌の曝露回数が多く,小児であることがリウマチ熱の心病変と関連があるとされる.このことからリウマチ熱が減った理由としては小児期の抗菌薬曝露が増えたことが関係していると考えられる.
▶リウマチ熱予防は咽頭炎から8-10日以内に抗菌薬を投与すれば可能である〔Am J Med. 1951 Jun; 10(6): 673-95〕.
●連鎖球菌感染症後反応性関節炎とリウマチ熱
リウマチ熱の診断基準(改訂Jones診断基準1992)
●成人のリウマチ熱は発熱を伴う関節炎で発症することが多く,溶連菌感染の証明が診断には重要である.
●成人のリウマチ熱では小舞踏病・輪状紅斑・皮下結節に遭遇することは稀だが,心雑音や心電図でのⅠ度房室ブロックは比較的見られる.
●溶連菌感染の証明+(主症状2項目あるいは主症状1項目+副症状2項目)でリウマチ熱の可能性が高いと判定する.
●各所見の特徴
●リウマチ熱またはリウマチ性心疾患の既往に関しては,以前は副症状の1つとして扱われていたが,過剰診断につながるので項目から削除された〔JAMA. 1992 Oct 21; 268(15): 2069-73〕.しかしながら宿主側にもリウマチ熱を来す素因があるのも確かであり,リウ