診療支援
診断

8 成人スティル病

成人Still病

多くは持続する高熱・関節痛・皮疹にて発症する.

サーモンピンク疹は診断に非常に有用だが,発熱時に一過性に見られるだけのことも多いため見逃されやすい.

咽頭痛,リンパ節腫脹,脾腫,肝障害があり伝染性単核球症と紛らわしいことも多いが,関節炎や漿膜炎を呈したり,好中球優位に白血球増多することが異なる.

関節症状は膝関節・手関節といった大〜中関節に加え,PIP関節やMCP関節も頻繁に障害される.

2/100万人年の頻度で性差はない.

成人Still病研究班による分類基準(山口基準)

▶大項目2項目以上かつ,総項目数5以上にて感度96.2%,特異度92.1%〔J Rheumatol. 1992 Mar; 19(3): 424-30〕.

□他にも診断基準があるが,この基準が感度に優れるとされる〔J Rheumatol. 1996 Mar; 23(3): 495-7/Eur J Intern Med. 2002 Mar; 13(2): 136-8〕.

成人Still病の診断

皮疹

▶典型的にはサーモンピンクで,麻疹様の丘斑疹で体幹・四肢近位部に多く,四肢遠位や顔面に見られることは稀である.

▶発熱時と一致して一過性に出現する場合が多いため見逃されることも多く,成人Still病を疑う場合は患者に説明をしておき,皮疹出現時にはカメラで撮影してもらうようにしておくとよい.

▶持続的な小丘疹であり薬疹と鑑別が困難であったり〔Actas Dermosifiliogr. 2006 Nov; 97(9): 591-3〕,瘙痒感を伴う持続的な浮腫性紅斑で線状色素沈着も伴うなど〔Dermatology. 2001; 202(4): 333-5〕,非典型的な皮疹の報告もある.


関節炎の罹患部位

▶関節炎に咽頭痛があれば反応性関節炎,リウマチ熱と成人Still病を考える.

成人Still病の検査

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