成人Still病
●多くは持続する高熱・関節痛・皮疹にて発症する.
●サーモンピンク疹は診断に非常に有用だが,発熱時に一過性に見られるだけのことも多いため見逃されやすい.
●咽頭痛,リンパ節腫脹,脾腫,肝障害があり伝染性単核球症と紛らわしいことも多いが,関節炎や漿膜炎を呈したり,好中球優位に白血球増多することが異なる.
●関節症状は膝関節・手関節といった大〜中関節に加え,PIP関節やMCP関節も頻繁に障害される.
●2/100万人年の頻度で性差はない.
●成人Still病研究班による分類基準(山口基準)
▶大項目2項目以上かつ,総項目数5以上にて感度96.2%,特異度92.1%〔J Rheumatol. 1992 Mar; 19(3): 424-30〕.
□他にも診断基準があるが,この基準が感度に優れるとされる〔J Rheumatol. 1996 Mar; 23(3): 495-7/Eur J Intern Med. 2002 Mar; 13(2): 136-8〕.
●成人Still病の診断
●皮疹
▶典型的にはサーモンピンクで,麻疹様の丘斑疹で体幹・四肢近位部に多く,四肢遠位や顔面に見られることは稀である.
▶発熱時と一致して一過性に出現する場合が多いため見逃されることも多く,成人Still病を疑う場合は患者に説明をしておき,皮疹出現時にはカメラで撮影してもらうようにしておくとよい.
▶持続的な小丘疹であり薬疹と鑑別が困難であったり〔Actas Dermosifiliogr. 2006 Nov; 97(9): 591-3〕,瘙痒感を伴う持続的な浮腫性紅斑で線状色素沈着も伴うなど〔Dermatology. 2001; 202(4): 333-5〕,非典型的な皮疹の報告もある.
●関節炎の罹患部位
▶関節炎に咽頭痛があれば反応性関節炎,リウマチ熱と成人Still病を考える.
成人Still病の検査
関連リンク
- ジェネラリストのための内科診断リファレンス/2 結節性紅斑
- 今日の皮膚疾患治療指針 第5版/色素性痒疹
- 今日の皮膚疾患治療指針 第5版/エリテマトーデス(2)SCLE
- 今日の皮膚疾患治療指針 第5版/成人Still病
- 今日の皮膚疾患治療指針 第5版/顔面播種状粟粒性狼瘡
- 今日の皮膚疾患治療指針 第5版/水疱性遠位指端炎
- 臨床検査データブック 2023-2024/流行性耳下腺炎(ムンプス,おたふくかぜ)
- 新臨床内科学 第10版/(3)レフサム病
- 新臨床内科学 第10版/1 TNF受容体関連周期性症候群
- 今日の整形外科治療指針 第8版/骨斑紋症
- 新臨床内科学 第10版/6 PAPA症候群(化膿性無菌性関節炎・壊疽性膿皮症・アクネ症候群)
- 今日の整形外科治療指針 第8版/進行性偽性リウマチ様骨異形成症
- 今日の診断指針 第8版/自己炎症性疾患