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11 サルコイドーシス

サルコイドーシス

サルコイドーシスは原因不明の多臓器疾患であり,その病理像は類上皮細胞肉芽腫を特徴とする.

肺病変(特に肺門部リンパ節腫脹)が最も高頻度に認められる.

全身反応を示す検査所見として①血清ACE活性高値,②両側肺門リンパ節腫脹,③ツベルクリン反応陰性,④ガリウムシンチグラフィにおける著明な集積所見,⑤気管支肺胞洗浄検査でリンパ球増加またはCD4/CD8比高値,⑥血清あるいは尿中Ca高値のうち2項目以上を認める〔日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会の診断基準2006〕.

日本での推定有病率は8-9人/10万人とされる.

サルコイドーシスによる障害臓器

サルコイドーシスによる肺病変

胸部X線写真にて①両側肺門部リンパ節腫脹(BHL),②上肺野優位でびまん性の分布をとる粒状影・斑状影を主体とする肺野陰影,③気管支血管周囲間質の不規則陰影と肥厚,④(進行すると)上肺野を中心に肺野の収縮を伴う線維化病変は,サルコイドーシスを疑う所見である.

胸部X線写真によるstage分類

胸部CTでは小粒状影・気管支血管周囲間質の肥厚像が多く見られる.局所的な収縮も伴う粒状影はリンパ路に沿って分布することを反映し,小葉中心部にも小葉辺縁部(胸膜,小葉間隔壁,気管支肺動脈に接して)にも見られる.結節影,塊状影,均等影はあってもよいが,胸水は稀である.進行し線維化した病変が定型的な蜂巣肺を示すことは少なく,牽引性気管支拡張を伴う収縮した均等影となることが多い.

血清アンギオテンシン変換酵素(ACE)

ACE≧24IU/Lであればサルコイドーシスの可能性が高い.

サルコイドーシスの診断(健常者との比較)

サルコイドーシス以外にも硅肺,活動性肺結核,粟粒結核,Hansen病,肺住血吸虫など肉芽腫をつくる疾患でACE活性は高値を示す場合がある.

肺胞洗浄液(BALF)

肺胞洗浄液(BALF)

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