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診断

1 菌血症

菌血症の予測

悪寒戦慄は菌血症の可能性を非常に高くする.

高熱,嘔吐,意識障害,低血圧,腎不全(尿量減少),白血球増多,CRP高値,プロカルシトニン高値は菌血症の予測因子ではあるがいずれも診断特性が高いわけではない.

悪寒戦慄の重要性

▶寒気(chilly sensation)は1枚服を羽織る程度,中等度の悪寒(moderate chill)は布団に入る程度,悪寒戦慄〔shaking chill(rigor)〕はガタガタ震えるもので区別する必要がある.

菌血症の可能性

菌血症の予測

▶Shapiroのルール:1.感染性心内膜炎の疑い,2.体温>39.4℃,3.血管内デバイスが存在のいずれかがあるか,小基準(①体温>38.3℃,②年齢>65歳,③悪寒,④嘔吐,⑤収縮期血圧<90mmHg,⑥白血球数>18,000/μL,⑦Cr>2mg/dL)のうち2つ以上を満たした場合に陽性.

JAMA. 2012 Aug 1; 308(5): 502-11


▶CRP高値よりもプロカルシトニン高値のほうが菌血症の予測に優れるという報告があるが〔Clin Infect Dis. 2002 Jul 15; 35(2): 156-61〕,プロカルシトニン≧0.4-0.5ng/mLは感度76(66-84)%,特異度70(60-79)%で菌血症を示唆するのみ〔Ann Emerg Med. 2007 Jul; 50(1): 34-41〕である.

MEMO 敗血症の定義

敗血症とは感染症によりSIRS(全身性炎症反応症候群)を来している病態を示す.

▶以下の2項目以上を満たす病態をSIRSとする.

□体温>38℃もしくは体温<36℃

□心拍数>90/分

□呼吸数>20/分,もしくはPaCO2<32mmHg

□白血球>12,000/μLもしくは白血球<4,000/μLもしくは桿状球>10%


敗血症ならば死亡率15%,重症敗

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