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3 肺結核と粟粒結核

結核症のリスク

日本は結核大国であり,遷延する呼吸器症状,リンパ節腫脹,不明熱では常に結核の可能性を考えねばならない.

塗抹陽性の結核患者との接触歴があれば新規感染のリスクが高く,感染者の5%が2年間で結核を発症する.

成人では感染から年余を経て発症する二次結核の頻度が高く,発症リスク(糖尿病,末期腎不全,アルコール依存症,癌,免疫抑制剤使用,HIV感染など)が重要である.

結核の既往がある場合は1951年以降に6か月以上の治療歴があるかどうかが重要である.

日本は毎年約3万人の結核症が新規発症している結核大国である.

感染のリスク

発症のリスク

▶結核感染者のうち5%は最初の2年間,残り5%はそれ以降に発症する〔日本胸部臨床.2000; 59(10): 761-75〕.

▶HIV感染があれば発症は年間5-9%である〔Clin Infect Dis. 1996 Apr; 22(4): 683-704〕.

▶BCGワクチンの発症予防効果は52(27-69)%で50-60年後も一定の効果は認める〔JAMA. 2004 May 5; 291(17): 2086-91〕とされる.


再発のリスク

▶抗結核薬による治療を完遂していれば95%は再発しない.再発する患者の半数は治療終了後1年以内で,治療終了して3年以上たってからの再発は少ない〔日本胸部臨床. 2000; 59(11): 855〕.

▶日本での抗結核薬はストレプトマイシンとPASが1951年に初めて使用可能となり,1952年にはイソニアジド,1957年にはピラジナミド,1967年にエタンブトール,1971年にリファンピシンが使用可能となった.

結核症の発症様式

肺結核が8割,肺外結核が2割を占める.

肺外結核は結核性リンパ節炎,結核性胸膜炎,脊椎カリエス,腎結核,結核性髄膜炎,粟粒結核などが代表的であるが,あらゆる臓器を侵しうる

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