麻疹
●感染率が高く,不顕性感染は極めて少ないことから流行歴が重要である.ワクチン接種歴や罹患歴も参考になる.
●咳を中心とするカタル期は数日間続くが,この時期の診断には結膜炎とKoplik斑が重要である.
●二相性の発熱とともに出現する発疹は顔面から始まり下行していく癒合傾向のある小丘斑疹で,色素沈着や落屑を残し治癒していく.手掌・足底に皮疹を認めることも特徴的な点である.
●採血では肝障害や白血球減少が見られることもあるが,白血球増多があれば細菌感染の合併を考える.
●修飾麻疹は不完全な免疫状態における感染で起こり,非典型的な症状を呈しうる.
●麻疹の臨床診断をしたら,特異的IgM抗体の測定と遺伝子検査を行う.
●ワクチン接種歴・麻疹罹患歴
▶生後12か月でのワクチン接種は予防効果があると思われる抗体価を90-95%で獲得する〔Biologicals. 1995 Mar; 23(1): 95-106〕