診療支援
診断

8 開発途上国からの帰国後発熱

開発途上国からの帰国後発熱

マラリアは特にアフリカ帰りでは圧倒的に多い疾患である.

デング熱は2番目に多い疾患で特に東南アジア帰りでは最も多い.

腸チフスは南・中央アジア帰りで多い疾患である.

潜伏期が3週間以内の場合は腸チフス・デング熱・Rickettsia感染を考え,3週間以上では結核・A型肝炎を考える.マラリアはいずれでもありうる.

マラリア,デング熱,腸チフスのいずれの疾患も呼吸器症状や消化管症状を伴うことも伴わないこともある.

マラリア,デング熱,伝染性単核球症では肝脾腫,異型リンパ球を認めうるが,腸チフスでは異型リンパ球は出現せず白血球数は減少することが多い.

上記疾患のうち異型リンパ球の報告があるのは伝染性単核球症の他にマラリアとデング熱,Rickettsiaの中ではエーリキア症とツツガ虫病だけである.

マラリア

流行地域への渡航歴が1か月以内にある発熱患者では,蚊刺症の有

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?