気管支喘息の疫学
●気管支喘息は人口の3-5%を占める高頻度の疾患である.
●小児喘息は特にダニなどに対するアトピー体質が関与し,小学校入学までに発症し,小学校を卒業する頃に改善することが多い.
●子供の喘息の15%は親の喫煙が原因とされ,受動喫煙の害を強調した両親への禁煙指導が肝要である.
●成人喘息は通年性アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎,鼻茸の合併が多く,アスピリン喘息も多い.
●高齢者喘息は時として心不全や肺気腫と鑑別が困難なことと,アドヒアランス不良で死亡例が多いことが問題である.
●高齢者ではアドヒアランスが低いことが重症度と関連している〔Arch Intern Med. 2002 Aug 12-26; 162(15): 1761-8〕.
アスピリン喘息
●慢性鼻炎や鼻茸の合併症例,成人発症の喘息,重症な喘息ではアスピリン喘息の可能性を考える.
●NSAID内服後数時間以内に重篤な喘息発作を来す.
●29.7±12.5歳で慢性鼻炎が出現し,31.9±13.5歳で喘息初回発作を来す.60.4%の症例では35.2±12.1歳で鼻茸が診断され,35.2±12.5歳で初回の喘息などのアスピリン不耐症状が出現する.男女比は1:2.3で女性に多く,女性ではより若年で重症な傾向がある〔Eur Respir J. 2000 Sep; 16(3): 432-6〕.
●アスピリン喘息の50%はステロイド依存性の重度喘息で,30%が吸入ステロイドを要する中等度喘息患者,軽症なのは20%のみである〔Chest. 2000 Nov; 118(5): 1470-6〕.
●NSAID内服3時間以内に鼻汁・結膜充血・眼瞼浮腫・顔面紅潮が出現し,喘息発作が見られる.
●人工呼吸器管理される症例の25%までがNSAID内服で喘息発作が起きている〔Am Rev Respir Dis. 1992 Jul; 146(1): 7
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