診療支援
診断

13 慢性閉塞性肺疾患

呼吸困難の鑑別診断

呼吸困難の原因は心疾患と肺疾患が多いが,上気道閉塞,神経筋疾患,労作時ならさらに貧血も考える必要がある.

中年以降では特に慢性閉塞性肺疾患(COPD)と心不全が増加する.

COPDの中でも毎年3か月以上の痰排出が2年以上連続で見られる場合は慢性気管支炎と考えるが,ここではおもに日本人に多い肺気腫について扱う.

▶慢性気管支炎では気道に痰がからんでいるので主訴は咳・痰であり,吸気早期のラ音を聴取することが多い.肺気腫と比較して気管短縮や胸郭変形などの徴候は伴いがたいが,1秒量の割に酸素化は悪く肺性心を伴いやすい.

COPDは肺に限局した疾患ではなく,炎症・サイトカインなど全身性のプロセスを伴い低栄養に陥る重篤な疾患である.

COPDの病歴

COPDは高齢・男性・喫煙者の慢性咳嗽や呼吸困難を訴える症例では高頻度に見られる.

40-50歳未満や非喫煙者におけるCOPDは非常に

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