診療支援
診断

16 胸水の存在診断

胸水の身体所見

呼吸音が低下していれば,声音振盪が低下(胸水や気胸)しているか亢進(肺実質充満病変)しているかを確認する.

声音振盪が低下している場合は打診で胸水(濁音)と気胸(鼓音)を鑑別する.

聴性打診は少量の胸水も検出しうる有用な方法である.

胸水貯留のみでは低O2血症を来すことは少なく,心不全や肺炎,無気肺の合併を考える.

胸水に対する身体所見(立位PA胸部単純写真との比較)

▶聴性打診(auscultatory percussion)

□第12肋骨先端の3cm尾側,背部鎖骨中線上に聴診器を置く.肺尖部から尾側へ向かっていくつかのレベルで打診する.

□第12肋骨よりも頭側で突然dullからloudになる水平面を認めれば胸水があると考える.

□50mLの胸水でも陽性となりうる〔J Gen Intern Med. 1994 Feb; 9(2): 71-4〕.

▶ヤギ音は胸水による肺の虚脱を反映

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