悪性腫瘍による胸水
●肺癌,乳癌,リンパ腫,卵巣癌,胃癌によるものが多い.
悪性腫瘍による胸水の特徴
●悪性腫瘍の既往があり片側性胸水貯留を認めれば,違うと分かるまでは悪性腫瘍による胸水を疑う.
●慢性経過,体重減少を伴う場合,大量胸水,血性胸水であれば可能性は高くなるが,発熱を伴っていれば可能性は下がる.
●胸水貯留患者における癌性胸水の診断
胸水の腫瘍マーカー
●胸部に明らかな腫瘤がなければCEAが有用である.CYFRA21-1やCA15-3を加えて測定してもよい.
●原発性肺癌の鑑別であれば,CEAとProGRP,CYFRA21-1の組み合わせがよい.
●胸水中腫瘍マーカーによる悪性疾患による胸水の鑑別
▶メタ解析ではCEA〔感度45.9(43.2-48.5)%,特異度97.0(96.0-97.8)%〕と,CYFRA 21-1〔47.3(44.0-50.6)%,91.8(89.5-93.7)%〕