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診断

16 頸動脈狭窄

頸動脈狭窄

頸動脈雑音の聴取の信頼性は低い.

超音波検査やMRA検査がスクリーニングに有用であるが,信頼性が高いのは造影MRA検査である.

頸動脈雑音

▶心筋梗塞のORは2.15(1.67-2.78),心血管系死亡のORは2.27(1.49-3.49)であり血管イベントのリスクが高い患者であることを示す〔Lancet. 2008 May 10; 371(9624): 1587-94〕.

▶45-54歳の2.3%,75歳以上の8.2%で聴取するとされ,無症候患者では病的意義は明らかでないことから〔JAMA. 1993; 270(23): 2843-5〕,頸動脈狭窄のスクリーニングは不要である〔Ann Intern Med. 2007 Dec 18; 147(12): 860-70〕.

▶症候性患者では治療効果の重要性から頸動脈雑音の有無だけによって決めるべきでなく,エコー検査が必要である.

□症候ある患者での頸動脈雑音による頸動脈狭窄検出

高安病

▶血管造影を行うと鎖骨下動脈に次いで頸動脈に病変を認めることが多い〔Arthritis Rheum. 2005 Feb 15; 53(1): 100-7〕.

▶高安病では平均5.3年の経過中に80%で血管雑音を聴取するが,そのうち88%の症例で頸動脈雑音を認め,大腿動脈(4%)や腎動脈(2%)の血管雑音を聴取することは少ない.なお診断時(発症から診断まで平均10か月)の頸動脈血管雑音は20%の症例で聴取したという報告がある〔Ann Intern Med. 1994 Jun 1; 120(11): 919-29〕.

▶18歳以下の症例では発熱,高血圧,関節痛が主症候となり,血管雑音を聴取するのは成人より少ない(16.5%vs48.4%)〔Rheumatology(Oxford). 2010 Oct; 49(10): 1806-14〕が,若年者や動

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