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診断

2 結節性紅斑

結節性紅斑の診断

圧痛のある紅色の結節が,両側の脛骨前面に見られれば結節性紅斑を疑う.

皮下組織の炎症であり,触診にて浸潤を触れることが診断において重要である.

潰瘍形成はせずに完全に自然治癒する.

鑑別診断として結核は重要で,圧痛なし・下肢屈側病変・難治性・潰瘍形成・胸部X線異常のいずれかがあればBazin硬結性紅斑を疑うが初期の病変は結節性紅斑と見分けがつかない.

高熱があり,盛り上がりのある有痛性浮腫性紅斑(炎症部位は比較的浅い)が顔面・四肢に見られ,末梢血好中球増多を認めれば結節性紅斑よりはSweet病を考え,血液悪性疾患の合併を除外する必要がある.

1-5/10万人の頻度.

20-30歳に多いがいかなる年齢でもありうる.

大きさは1-10cmで,皮下組織の炎症であるために浸潤を触れ,境界は不明瞭.下肢に見られるのが80%で,下肢と上肢に見られるのが16%との報告がある〔Arthritis Rheum. 2000 Mar; 43(3): 584-92〕.個々の皮疹は2週間以内に消褪傾向となる.新たな皮疹は6週間までは出現しうる.

37.7℃以上の発熱は23%で見られる〔Arthritis Rheum. 2000 Mar; 43(3): 584-92〕.

結節性紅斑の原因

何かしらの抗原に対するⅣ型遅延型アレルギーであると推測され,感染症候が1-3週間前に見られることもある.

溶連菌をはじめとして種々の感染症が結節性紅斑の原因となりうる.

感染症以外には薬剤,サルコイドーシス,炎症性腸疾患,Behçet病が原因となりうる.

結節性紅斑の原因

▶溶連菌,SalmonellaCampylobacterYersinia,赤痢,大腸菌,Brucella感染,M. pneumoniaeC. pneumoniaeC. psittaciBartonella henselae

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