多形滲出性紅斑
●新旧が混在する(多形性)皮疹が四肢末梢伸側から対称性に始まる.
●浮腫性の辺縁(滲出性)をもつターゲット様皮疹が1つでもあれば多形滲出性紅斑の可能性が高い.
●発熱とともに粘膜皮膚移行部病変がある場合はStevens-Johnson症候群を,水疱・表皮剝離が体表面積の30%以上あれば中毒性表皮壊死剝離症(TEN)を考え,重篤化に備える.
●原因としては単純ヘルペス感染,Mycoplasma感染,薬剤が重要である.
●疫学
▶20-40歳に多いがいかなる年齢もありうる.
●皮疹の特徴
▶突然発症し,1-2cmに増大する多少の隆起を伴う円形紅斑.
▶瘙痒感を伴ったり,発熱・頭痛・関節痛を伴ったりしうるため,蕁麻疹や感染症・膠原病との鑑別が重要である.
▶個々の発疹の中心部は暗紅色調が強く,時に水疱が認められる.これを取り巻く浮腫性で色調の淡い中間層があり,最外層の紅斑の3層構造を呈するものを典型