薬疹
●アレルギー性の薬疹は薬剤投与から3週間以内に発症する.
●抗菌薬,抗痙攣薬,NSAIDは特に薬疹を来しやすい薬剤である.
●皮疹の性状はさまざまであるが,麻疹様の紅色小丘疹が最も多い.
●入院患者の2-10%で薬疹が出現する.
●アレルギー性の薬疹は薬剤投与から2-3週間以内に発症する.ただし固定薬疹や苔癬型,光線過敏型は遅発性に発症する.
●薬疹を起こしやすい薬剤
●交差反応
▶フェニトイン薬かカルバマゼピン薬のどちらかで皮疹が出現した場合,他剤でも半数程度で皮疹が出現する.またラモトリギン薬も交差反応を起こしやすい〔Epilepsy Res. 2008 Aug; 80(2-3): 194-200/Seizure. 2010 Nov; 19(9): 562-6〕.この場合,バルプロ酸やガバペンチン薬は比較的安全と考えられている.
▶ペニシリンで皮疹が出現した場合,セフェム系では10%で皮疹が出現しうるとされる.第1世代セフェムで交差反応が起こりやすいが,第3世代セフェムは比較的安全と考えられる〔Otolaryngol Head Neck Surg. 2007 Mar; 136(3): 340-7〕.カルバペネムやモノバクタムもペニシリンとの交差反応のリスクは高くないが,第3世代セフェムのセフタジジム薬とアズトレオナム薬は側鎖が同じであるため一方で副作用が出現すればもう一方は避けたほうが無難である〔Ann Pharmacother. 2009 Feb; 43(2): 304-15〕.
▶ST合剤薬薬にアレルギーがある場合でも,抗菌薬以外(non-sulfonylarylamines)のサルファ剤であるフロセミド薬やセレコキシブ薬は通常安全に使用できると考えられる〔Ann Pharmacother. 2005 Feb; 39(2): 290-301〕.
●皮疹の性状
●特徴的な皮疹を呈
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