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4 感染性脊椎炎・椎間板炎

感染性脊椎炎・椎間板炎

化膿性脊椎炎では皮膚からの直達感染,菌血症(感染性心内膜炎など),尿路感染の3つの感染経路を考える.

安静時にも継続する疼痛,脊椎叩打痛は炎症性疾患を示唆する.

神経根症状や脊髄症を認めることも多い.

化膿性脊椎炎と比較して結核性脊椎炎では発熱の頻度は低いが,進行すれば脊椎の変形を認めやすい.

結核性脊椎炎は胸椎に多く,化膿性脊椎炎は腰椎に多い.

化膿性脊椎炎

▶3つの感染経路

□皮膚から侵入する場合はブドウ球菌が多いが,糖尿病などの免疫抑制患者や仙骨部褥瘡からの感染の場合はブドウ球菌以外にグラム陰性桿菌や嫌気性菌も起因菌となる.

□感染性椎体炎の31%で感染性心内膜炎を認めるという報告がある〔Am J Med. 2005 Nov; 118(11): 1287〕.

□骨盤内と脊柱はBatson静脈叢を介してつながっているため,上部尿路感染では腰椎骨髄炎を来しやすい.

□起因菌の推定が困難な場合は,長期の治療を要する疾患であることから穿刺・生検により病変から培養検体を採取することが望ましい.

化膿性脊椎炎・椎間板炎の検査

単純X線写真では椎間狭小化が最も早期に見られる所見だが,診断にはMRI検査を行う必要がある.それでも診断がつかない場合は2週間後にMRI再検査を要する.

椎体はendplateをまたいでT1強調画像で低信号,T2強調画像(STIR法)で高信号があれば脊椎炎に特徴的である.T1強調画像で造影効果を認めたり,2椎体にまたがって信号変化がある場合も脊椎炎の可能性が高い.

椎間板はT2強調画像では信号変化が起きやすいので髄液と同程度の高信号で有意と考える.

治療効果の判定としては赤沈が有用だが,MRIにおける骨病変の改善を認めるのは遅い.

化膿性脊椎炎に対する画像評価

▶単純X線写真の診断寄与率は低いが,椎間狭小化(発症2週間後),椎体の骨密度減少(

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