アレルギー性鼻炎
●鼻症状がある人に喘息・蕁麻疹・アレルギー性鼻炎の既往や家族歴があればアレルギー性鼻炎の可能性は高くなる.
●花粉,植物や動物への曝露と症状との関連が重要である.
●ウイルス性の急性上気道炎と比較すると鼻症状の罹患期間が長いこと,目の痒みやくしゃみを伴いやすいこと,咽頭痛や咳は軽微であることが鑑別点である.
●鼻汁好酸球の感度は低いが,特異度は高い.
●特異的IgE測定は原因抗原の同定に有用であり,原因抗原の同定が生活環境の改善に寄与する場合には測定する.
●アレルギー性鼻炎の診断
▶気温の変動に一致する鼻症状の場合は,血管運動性鼻炎を考える.
●鼻汁好酸球によるアレルギー性鼻炎の診断
●特異的IgE検査(radioallergosorbent test;RAST)
▶確定的な結果が得られる検査ではないので原因抗原の同定が重要であるときにのみ測定する意義がある.すなわちその結果によってペットへの接触を変える場合などには測定するが,臨床的に杉花粉による花粉症と分かっている場合には測定する価値は乏しい.
▶CAP-RAST法は感度が高く信頼性が高い.いくつかの抗原では抗体価によりアレルギーの可能性を推測できる.
▶近年新たに利用可能となったアラスタット3g Allergy®は感度が高く,また測定可能範囲が広いため重症度評価にも優れるとされる.
▶内科・耳鼻科患者におけるCAP RASTとアラスタット3g Allergy®による診断と臨床診断との比較
▶同時多項目アレルゲン特異的IgE抗体測定(MAST 33)は33種類の抗原に対してスクリーニングを行うことができる.CAP-RASTと同様に7段階のクラス分類されるが,両者のクラス完全一致率は63%で,1段階以内でのクラス一致率は88%である.CAP-RASTと比較して感度85%,特異度93%と感度は若干劣る〔アレルギーの臨床.200
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