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2 クラミジア感染・淋菌感染

淋菌とChlamydia感染症

10-20歳代は性的活動が盛んであり,性感染症のリスクが特に高い.

淋菌感染は性風俗店での性行為後1週間以内に膿性分泌物など強い症状で発症することが多いため,性行為感染症と自覚して受診することが多い.

クラミジア感染は淋菌感染よりも多いが,特に女性では無症候性感染であることが多く,症状の有無にかかわらず性的活動のあるすべての男女はクラミジア感染のリスクがあると考えるべきである.

骨盤内炎症性疾患(PID)は不妊症,子宮外(異所性)妊娠,慢性骨盤痛を続発することがある.

治療はパートナーの治療と同時に行い,また淋菌感染では半数で伴うとされるクラミジア混合感染を合併しているものとして治療する.

性感染症は多種存在するが,本章では性器クラミジア(C. trachomatis)感染と淋菌感染症を扱う.それ以外には性器ヘルペス,尖圭コンジローマ,性器伝染性軟属腫,HIV感染症,B型肝炎,Mycoplasma性器感染症,鼠径リンパ肉芽腫症,梅毒,軟性下疳,腟トリコモナス症,アメーバ赤痢,性器カンジダ症,毛じらみ,疥癬などが知られている.


Chlamydia感染症

Chlamydia感染の潜伏期は1-3週間である.

Chlamydia感染は女性で75%,男性では50%が無症状である.


日本における無症候性淋菌・Chlamydia感染者の頻度

性感染症の合併症

▶PID後は卵管閉塞による不妊を20(10-23)%で,子宮外(異所性)妊娠を9(5-10)%で,慢性骨盤痛を18(15-20)%で来す〔Ann Intern Med. 2004 Oct 5; 141(7): 501-13〕.

▶出産時にChlamydiaに感染していると新生児のChlamydia結膜炎や肺炎などを来す.

骨盤内炎症性疾患(PID)の病歴

1か月以内に複数のパートナー,月経中の性交渉,P

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