病院総合診療が成功する鍵として以下が挙げられる.
①リーダーの存在(総合診療の質).②内科部長(見識・権限)と内科系プログラム責任者(専従)の実質的・恒常的存在.③病院・行政管理者の理解(総合診療の量).④専門諸科との協働.⑤内科系専門諸科指導層の「内科全般に関する基本的臨床・教育能力」が高いこと.⑥学閥・医局支配の極小化.⑦臨床研究の遂行.⑧医療安全への貢献.⑨専門医認定・医学界での市民権.⑩社会的(世間からの)評価.⑪患者・家族からの感謝.
京都市の地理的中央に位置する洛和会丸太町病院は150床の急性期病院であり,総合診療(救急・総合診療科)が突出した規模なので,大病院とは次元が異なり,③と④に難渋することはあまりないと考えられる.何といっても肝要なのは①と②ということになるが,同科は現在満開状態である.その学術的象徴の1つが本書だと言っても過言ではあるまい.
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