診療支援
診断

第2版 監修にあたって

 10年前にEBMをふんだんに取り入れた診断学の手引書として出版された本書は,その「痒い所に手が届く」網羅性から当時のあるライバル教育病院の指導者から「迷惑なくらいだ」と皮肉を込めた賞賛を送られるほどインパクトが大きかった.この本の出版が,著者である上田先生を一躍カリスマ指導医として表舞台に押し上げ,以後彼は洛和会丸太町病院に参集する数多くの後進の指導を行う傍ら,日本各地での講演,幾多の論文の執筆と,八面六臂の活躍をこなすことになった.その多忙ななか,ついにさらに中身を更新・充実させた第2版の出版にこぎつけた彼の労をねぎらいたい.

 症候からの診断学の価値はいささかも損なうものではないが,この10年の間に医学界では遺伝子解析による診断や,分子を標的とした治療を中心に大きな進歩を遂げた.が,それ以上に特筆すべき変化は,本書の改訂・監修作業も大詰めとなった2023年に,ChatGPTに代表される

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