『内科診断リファレンス』の初版を上梓してから10年ほどの年月が過ぎた.この間,総合診療科医として多種多様な疾患に対する診療の機会に恵まれ,医師としての経験も前版執筆時に比べて倍増した.前版を顧みるに,その内容および質に改善の余地があると痛感し,全項目を論文検索より見直す作業が必要であると判断した.
著者自ら,診断学においては未だ修練が足りぬと自覚しており,執筆に際しては今まで通り徹底的な文献吟味を行うほかにないと考えた.第2版の改訂作業を開始して以降,3万報以上の論文に目を通すという長期にわたる作業を経て,遂に出版に至った.
第2版で外部リンク(QRコード/ハイパーリンク)を多く採用したことは,大きな変更点である.これにより,論文などに掲載されている教育的な画像や動画にアクセスすることができる.リンク先は信頼性が高く,今後リンク先が途絶える可能性が低いものを選択してはいるが,執筆時点から