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20 膵癌・膵囊胞性疾患

膵癌の疫学

膵癌は固形癌のなかでも予後の悪い代表疾患であり,50歳以上に多い.

遺伝的要因(膵癌家族歴,Peutz-Jeghers症候群),慢性膵炎の既往,喫煙は,膵癌のリスク要因である.

膵癌の罹患率(2018年)


悪性腫瘍の5年相対生存率(部位別)

次図の左下に位置する部位の癌(膵癌)は早期に発見しても予後が悪い.固形癌は診断時に26.4%が遠隔転移しているが,膵癌は診断時の遠隔転移率が44.1%と最も高いため〔Jpn J Clin Oncol. 2015 Sep;45(9):884-91. PMID:26142437〕,予後はさらに不良である.

次図の右下に位置する部位の癌は早期に発見すれば予後が良好であり,特に有病率が高い大腸癌,胃癌,肺癌,子宮頸癌は癌検診の有用性が高い.

次図の右上に位置する部位の癌(前立腺癌,甲状腺癌)は進行期に発見されても予後が比較的良好であり,過剰な検

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