腎囊胞
◉腎囊胞は中高年で高頻度に認められる.
◉薄く平滑な囊胞壁,内部均一,単房性であれば単純性腎囊胞であり,それ以上の検査は不要である.
◉囊胞壁や中隔に造影効果を伴う結節・肥厚・不整がある場合は,悪性腫瘍の可能性が高い.
◉両側の腎臓に各々3-5個以上の囊胞を認める場合は,常染色体顕性(優性)多発性囊胞腎(ADPKD)を考える.
●検診における超音波検査での腎囊胞の検出率(n=14,314)図
●腎囊胞性病変に対するBosniak分類(2019)図
●常染色体顕性(優性)多発性囊胞腎(ADPKD)
▶遺伝性腎疾患のなかでは最も頻度の高い疾患である.
▶ADPKDにおける所見頻度図
◆腎腫大による慢性疼痛を呈することもあれば,囊胞出血や感染,尿路結石により急性疼痛を呈することもある.
▶加齢とともに囊胞が両腎に増加し,進行性に腎機能が低下,60歳までに約半数が末期腎不全に至る.
◆ADPKDに対する超音波検査