診療支援
診断

12 腎囊胞・腎腫瘤

腎囊胞

腎囊胞は中高年で高頻度に認められる.

薄く平滑な囊胞壁,内部均一,単房性であれば単純性腎囊胞であり,それ以上の検査は不要である.

囊胞壁や中隔に造影効果を伴う結節・肥厚・不整がある場合は,悪性腫瘍の可能性が高い.

両側の腎臓に各々3-5個以上の囊胞を認める場合は,常染色体顕性(優性)多発性囊胞腎(ADPKD)を考える.

検診における超音波検査での腎囊胞の検出率(n=14,314)

腎囊胞性病変に対するBosniak分類(2019)

常染色体顕性(優性)多発性囊胞腎(ADPKD)

遺伝性腎疾患のなかでは最も頻度の高い疾患である.

ADPKDにおける所見頻度

腎腫大による慢性疼痛を呈することもあれば,囊胞出血や感染,尿路結石により急性疼痛を呈することもある.

加齢とともに囊胞が両腎に増加し,進行性に腎機能が低下,60歳までに約半数が末期腎不全に至る.

ADPKDに対する超音波検査

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