末梢神経障害
◉末梢神経障害はその分布から単神経障害,多発単神経障害,多発神経障害に分類する.
●末梢神経障害の頻度(対数表示としていることに注意)
▶末梢神経障害全体での有病率は一般人口の2-7%である.図
多発神経障害の原因
◉多発神経障害の原因は多数あるが,最も多い原因は糖尿病で,ついでアルコール多飲である.
◉ビタミンB群欠乏症は治療反応性が期待されるため,常に鑑別に加えるべきである.
◉比較的稀であるが重大な疾患として,血管炎,ギラン・バレー症候群,悪性腫瘍,M蛋白血症(☞H-12「形質細胞腫瘍・多発性骨髄腫」→)などがある.
◉特に急性~亜急性の発症,非対称性,length-dependentではない,運動障害優位,顕著な自律神経障害を認める場合は,原因追究の必要性が高い.
●多発神経障害の原因図
●日~週単位で進行する急性発症であれば血管炎,ギラン・バレー症候群を考える.
関連リンク
- ジェネラリストのための内科診断リファレンス 第2版/12 形質細胞腫瘍・多発性骨髄腫
- ジェネラリストのための内科診断リファレンス 第2版/11 心筋症
- 今日の治療指針2024年版/多発ニューロパチー
- ジェネラリストのための内科診断リファレンス 第2版/13 特発性炎症性筋疾患(皮膚筋炎・多発性筋炎を含む)
- ジェネラリストのための内科診断リファレンス 第2版/21 ギラン・バレー症候群(GBS)
- 新臨床内科学 第10版/【4】神経筋疾患
- 新臨床内科学 第10版/1 多系統萎縮症
- 新臨床内科学 第10版/3 多発ニューロパチー(多発神経炎)
- 新臨床内科学 第10版/9 免疫性ニューロパチー
- 新臨床内科学 第10版/レヴィ小体型認知症の病理学:αSのプリオン仮説
- 今日の整形外科治療指針 第8版/多発ニューロパシー
- 今日の診断指針 第8版/Parkinson症候群(進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症を含む)