診療支援
治療

プリックテスト,スクラッチテスト,皮内テスト
Skin prick test,Scratch test,Intradermal test
矢上 晶子
(藤田医科大学ばんたね病院・総合アレルギー科教授)

【概説】プリックテストおよびスクラッチテストは,花粉症・鼻アレルギー,アトピー性皮膚炎,アレルギー性結膜炎,食物アレルギー・口腔アレルギー症候群,ラテックスアレルギー,薬剤アレルギーなどの即時型(Ⅰ型)アレルギーに対する検査法である.皮内テストは即時型のみならず遅延型(Ⅳ型)アレルギーの検査にも用いられる.


検査の進め方

 詳しい問診に基づいて原因として疑われる物質を絞り,プリックテスト,スクラッチテスト,皮内テストの順で行う.

1.プリックテスト

 患者の前腕屈側で行う.アレルゲンを1滴置き〔プリックランセット(SmartPractice社),バイファケイテッドニードル(東京エム・アイ商会)など〕,もしくは細い注射針で皮面に対して90度の角度でアレルゲンを静かに貫いて1度刺す(図2-16).新鮮な野菜・果物を用いる場合はそのものを用いることが有用であり(prick by prick test),標準液がない天然ゴムラテックス製品(ゴム手袋やゴム風船など)は抽出液を作製する.針を刺した15分後に膨疹径(mm;最長径とその中点に垂直な径の平均値)を測定する(図2-17).対照液は陽性コントロールとしてヒスタミン二塩酸塩10mg/mL(鳥居薬品),陰性コントロールとして生理食塩液もしくは鳥居薬品の対照液を用いる.ヒスタミンの2倍以上を4+,同等を3+,1/2以上を2+,1/2より小さく,生理食塩液より大きいものを1+,生理食塩液と同等を(-)と判定する.判定結果が2+以上を陽性とする(表2-7)

 偽陽性,偽陰性を考慮し,臨床症状とプリックテストの結果より総合的に判断することが勧められる.

2.スクラッチテスト

 患者の前腕屈側にプリックテスト専用針ないしは細い注射針(23G)で皮膚に対し出血しない程度に5mm程度に線状の傷をつけ,試薬を滴下する.判定は表2-7の基準により行う.ス

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