診療支援
治療

免疫抑制外用薬(局所カルシニューリン阻害薬)
Topical immunomodulator
井川 健
(獨協医科大学主任教授)

【概説】免疫抑制外用薬は,アトピー性皮膚炎における治療において皮膚の炎症を鎮静させる目的で使われる外用薬として,ステロイド外用薬とともに広くその効果が認識されている薬剤である.日本では,タクロリムス含有軟膏が使用されており,0.1%濃度の成人用と0.03%濃度の小児用の各軟膏が利用可能である.

【適応】アトピー性皮膚炎の顔面紅斑を主たる標的として使用されているタクロリムス含有軟膏であるが,アトピー性皮膚炎以外にも,適応外使用ではあるものの,さまざまな皮膚疾患における治療効果が広く認識されており,今や皮膚科外用療法に欠かすことのできない薬剤となっている.

【薬剤の概要】タクロリムスは,筑波山中の土壌より得られた放線菌Streptomyces tsukubaensisの代謝産物より見出された,マクロライド骨格を有する化合物であり,免疫抑制作用をもっている.その免疫抑制の機序は,シクロスポリンのそ

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