診療支援
治療

イミキモド
Imiquimod
三石 剛
(日本赤十字社さいたま赤十字病院部長)

【概説】イミキモドはイミダゾキノリン系の合成低分子化合物であり,種々のサイトカイン,ケモカインを介して免疫賦活作用を有し,抗ウイルス作用,抗腫瘍作用を有する.すなわちイミキモドは樹状細胞・単球に存在するトール様受容体7に作用し,NFκBを活性化させ,種々のサイトカイン(IFN-α,TNF-α,IL-1,-6,-8,-10,-12)などの産生を促進させる.その後,これらのサイトカインによって細胞性免疫の賦活化,IFN-γ産生を促す.またイミキモドによって産生が促進されたIFN-αはウイルス増殖を抑制し,活性化NK細胞やキラーT細胞によってウイルス感染表皮細胞障害や腫瘍細胞に働き,疣贅・腫瘍を消失させると考えられている.

【適応】ヒト乳頭腫ウイルス感染症の性器または肛門周囲尖圭コンジローマの治療薬として開発に至っている.1997年に米国食品医薬品局(FDA)からイミキモド5%クリームが尖圭コンジローマの治療薬として初めて認可され,2004年には日光角化症,表在型基底細胞癌に対しての保険適用が追加された.日本では2007年に尖圭コンジローマの治療薬として承認され,現在では尖圭コンジローマの治療において第1選択の薬剤として位置づけられている.その後,日光角化症に保険適用が追加されている.また2.5%,3.75%イミキモドクリームがFDAで日光角化症の新用法,用量の薬剤として承認されている.尖圭コンジローマ,日光角化症や表在型基底細胞癌以外にも,保険適用外使用であるが,成人T細胞白血病・リンパ腫,菌状息肉症,悪性黒子型黒色腫,Paget病,Bowen病,Kaposi肉腫などの腫瘍にも有効であるとの報告が海外で散見される(表3-8)

【使用方法】

Px処方例 尖圭コンジローマや日光角化症に下記を用いる.

ベセルナクリーム 週3回 適量を塗布後,6~10時間後に洗浄

 原則16週まで使用可能

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