【概説】活性型ビタミンD3外用薬は炎症性角化症である乾癬に主に用いるが,毛孔性紅色粃糠疹や掌蹠膿疱症,ならびに魚鱗癬や掌蹠角化症などの角化異常症にも使用する.その主な有効性の機序は,表皮細胞に対する分化誘導作用や増殖抑制作用である.さらに,T細胞の分化調節や制御性T細胞の誘導作用,免疫担当細胞の炎症性サイトカイン調節作用など,多様な免疫修飾作用も知られている.ステロイド外用薬のような速効性はないが,皮膚萎縮や毛細血管拡張,皮膚感染症などの副作用を起こさないうえ,乾癬に使用した場合は寛解後に再燃までの期間が長く,膿疱化やタキフィラキシーもない.そのため,乾癬の外用薬では第1選択薬の1つと位置づけられ,特に寛解後の維持目的,あるいはステロイド外用薬を継続しにくい部位などに使用しやすい.副作用として高Ca血症に注意する.
【適応および薬剤】①製剤によって,保険適用となる疾患や使用上の注意点が若干異