診療支援
治療

光線療法
Phototherapy
山﨑 文和
(関西医科大学准教授)

 光線療法には,体内因子と光線を反応させる方法と,体外から因子を投与し光線と反応させる方法がある.いずれも光化学反応,光生物反応に引き続き治療効果を発揮する.光線には,紫外線や可視光線領域の波長を用いる.


Ⅰ 紫外線療法

a.PUVA(ソラレン+UVA)療法

【概説】紫外線は免疫抑制作用,アポトーシス誘導,分裂能抑制作用を有しており,その作用を治療に用いている.PUVA療法はソラレン誘導体とUVAを組み合わせて使用する治療方法で,深い部位への効果が期待される.

【適応】深い部位への効果が必要な,皮膚悪性リンパ腫や強皮症などが適応となる.

【薬剤・使用方法】①内服PUVA療法:0.4~0.6mg/kgのメトキサレンを内服し2時間後にUVAを照射する.最少紅斑量(MED:minimal erythema dose)の1/2~2/3量から開始し,20~50%ずつ増量する.②外用PUVA療法:0.3%メトキサレン外用直後,あるいは2時間後にUVA 0.1~0.3ジュール/cm2を照射する.③bath PUVA療法:メトキサレン1~5mg/Lを含む37~42℃の温水に10~15分入浴,入浴後タオルで体を拭きとり,直後にUVA 0.2~0.5ジュール/cm2を照射する(表3-27)

b.ナローバンドUVB療法

【概説】311~313nmと幅の狭い波長を用いる紫外線治療のナローバンドUVB療法は,275~375nmの波長を用いたブロードバンドUVB療法と比して発癌性が少ないため,現在の紫外線療法の中心的手法となっている.

【適応】保険点数が請求できる疾患としては乾癬,類乾癬,掌蹠膿疱症,菌状息肉症,悪性リンパ腫,慢性苔癬状粃糠疹,尋常性白斑,アトピー性皮膚炎などが挙げられる.保険点数の対象にはなっていないが,円形脱毛症,透析に伴う瘙痒,GVH(移植片対宿主)反応,結節性痒疹などに一定の効果が認め

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