病態
漿液性丘疹が集簇して円形ないし卵円形の境界明瞭な貨幣大程度の湿疹局面を形成する疾患である.
【病因・発症機序】若年者ではアトピー素因を基盤にもつ者に多く,中年以降では乾燥皮膚がしばしばみられることから,表皮バリア機能の低下から微小な皮膚炎が生じ,それが次第に拡大・融合して湿疹局面が形成されるものが多いと考えられるが,搔破や細菌感染,接触アレルギーの関与などその発症メカニズムは単一ではない.
診断
【鑑別診断で想起すべき疾患】うっ滞性皮膚炎,アトピー性皮膚炎,接触皮膚炎,体部白癬,扁平苔癬,乾癬,Gibertばら色粃糠疹,菌状息肉症,Bowen病,乳房Paget病などが挙げられる.
【問診で聞くべきこと】アトピー性皮膚炎の既往や家族歴の有無,入浴時の清拭方法などの生活習慣,外用薬の使用歴などを聞く.
【臨床症状からの診断】①境界明瞭な貨幣大のびらんや痂皮を伴う紅斑性湿疹局面が多発し,時に小膿疱や
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