診療支援
治療

環状紅斑
Annular erythema
多田 弥生
(帝京大学主任教授)

病態

 臨床的に環状を呈する紅斑を総称して,広義の環状紅斑という.環状紅斑を呈する疾患を表6-1にまとめた.小紅斑として始まり,遠心性に拡大する経過のなかで,中央の紅斑が消褪し,環状を呈する.膠原病(エリテマトーデス,Sjögren症候群),感染症,悪性腫瘍,薬剤など原因があるものと原因不明のものがある.壊死性遊走性紅斑はグルカゴノーマ症候群(膵臓のグルカゴン産生腫瘍)などに伴う必須アミノ酸欠乏に伴う表皮の蛋白合成阻害によって生じると考えられており,臨床的に表皮の壊死によるびらんなどの症状を伴う.慢性遊走性紅斑はスピロヘータの1種であるボレリア(Borrelia)感染症をマダニが媒介し,発症する.日本ではシュルツェマダニによることがほとんどである.本症は4類感染症のため,診断したら,保健所への届出を行う.リウマチ性環状紅斑はレンサ球菌感染症であるリウマチ熱の初期に生じる環状紅斑である.


診断

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