病態
臨床的に環状を呈する紅斑を総称して,広義の環状紅斑という.環状紅斑を呈する疾患を表6-1図にまとめた.小紅斑として始まり,遠心性に拡大する経過のなかで,中央の紅斑が消褪し,環状を呈する.膠原病(エリテマトーデス,Sjögren症候群),感染症,悪性腫瘍,薬剤など原因があるものと原因不明のものがある.壊死性遊走性紅斑はグルカゴノーマ症候群(膵臓のグルカゴン産生腫瘍)などに伴う必須アミノ酸欠乏に伴う表皮の蛋白合成阻害によって生じると考えられており,臨床的に表皮の壊死によるびらんなどの症状を伴う.慢性遊走性紅斑はスピロヘータの1種であるボレリア(Borrelia)感染症をマダニが媒介し,発症する.日本ではシュルツェマダニによることがほとんどである.本症は4類感染症のため,診断したら,保健所への届出を行う.リウマチ性環状紅斑はレンサ球菌感染症であるリウマチ熱の初期に生じる環状紅斑である.
診断
関連リンク
- 治療薬マニュアル2024/ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル《アンテベート》
- 治療薬マニュアル2024/オロパタジン塩酸塩《アレロック》
- 治療薬マニュアル2024/ドキシサイクリン塩酸塩水和物《ビブラマイシン》
- 今日の皮膚疾患治療指針 第5版/小児によくみられる皮膚疾患
- 今日の皮膚疾患治療指針 第5版/痒みを主徴とする皮膚疾患
- 今日の皮膚疾患治療指針 第5版/全身の潮紅と落屑(紅皮症)をきたす疾患
- 今日の皮膚疾患治療指針 第5版/蝶形紅斑および類似の症状を呈する疾患
- 今日の皮膚疾患治療指針 第5版/手掌に水疱,膿疱を生じる疾患
- 今日の皮膚疾患治療指針 第5版/全身に膿疱を認める疾患
- 今日の皮膚疾患治療指針 第5版/環状を呈する皮疹を主徴とする疾患
- 今日の皮膚疾患治療指針 第5版/慢性色素性紫斑
- 今日の皮膚疾患治療指針 第5版/類乾癬
- 今日の診断指針 第8版/皮膚色素異常