病態
紫斑はさまざまな内科疾患の初発症状として現れ,その臨床像,分布と病理組織学的所見は,血液検査とともに診断するうえで重要な手がかりとなる.紫斑が生じる原因は大きく血管炎,血液疾患,血漿蛋白異常とその他の疾患に伴うものに分けられる.血管炎による代表的な疾患にIgA血管炎,血液疾患では血小板減少性紫斑病,異常な血漿蛋白質による紫斑は高γグロブリン血症性紫斑,クリオグロブリン血症性紫斑,全身性アミロイドーシスによる紫斑などが含まれる.感染症によって生じる紫斑には皮膚点状出血またはJaneway病変が知られている.紫斑をみたら基礎疾患の検索が重要である.
【病因・発症機序】①血管炎では免疫複合体の血管壁への沈着によるアレルギー反応,その他は血中にさまざまな原因によって産生された異常蛋白により血液の粘稠度が亢進して血行障害が生じた結果,血小板,凝固系にも影響をもたらし,血管壁に直接障害をきたす.異