診療支援
治療

エリテマトーデス(3)DLE
Discoid lupus erythematosus:DLE
小寺 雅也
(JCHO中京病院部長)

病態

 皮膚エリテマトーデスのなかで最も頻度の多い皮疹型は,円板状エリテマトーデス(DLE:discoid lupus erythematosus)である.皮疹は,顔面,頭部,耳介部に好発する.境界明瞭な紅斑局面で,鱗屑と毛孔の開大を伴う.病変が広範囲であり,頸部より尾側に拡大する場合は全身性エリテマトーデスへ移行する例が多いため注意を要する.DLEでは,口唇が侵されることもある.口唇の鱗屑,潰瘍,色素沈着がみられ,口唇癌(図12-3)の発症母地となりうるので注意が必要である.頭皮に病変が存在すると,真皮内の炎症が強いため,毛根が破壊され不可逆的な脱毛斑となりうる(図12-4)


診断

【皮膚生検】DLEではSCLEと同様に著明な過角化,毛孔角栓形成,表皮萎縮,表皮基底層の液状変性がみられる.DLEにおける蛍光抗体直接法では表皮真皮接合部に免疫グロブリンや補体の線状の沈着がみられる.全身性エ

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