診療支援
治療

エリテマトーデス(4)その他
Lupus erythematosus profundus and others
小寺 雅也
(JCHO中京病院部長)

病態

 皮膚エリテマトーデス(CLE:cutaneous lupus erythematosus)は,他臓器の合併症がみられないこと,全身型への移行,中間型も時にあること,20歳前後の女性に多いこと,慢性円板状型,深在性,亜急性皮膚型があること,表皮真皮接合部に免疫グロブリン,補体の沈着がみられること,を特徴とする.

 その他の皮疹型の頻度としては深在性エリテマトーデス(lupus erythematosus profundus)が多い.顔面,頸部,上腕に好発する.病初期は皮下硬結から出現し,やがて表面が陥凹して治癒する(図12-5)

 皮下の変化の直上に紅斑や鱗屑などの表皮の変化がみられることが多いが,表皮変化を欠く例も存在する.円板状エリテマトーデスや全身性エリテマトーデスと同時にみられることが約半数で,残り半数は単独の発症である.


診断

 深在性エリテマトーデスでは,組織学的には脂肪織炎を認める.円板状エリテマトーデスを合併する例では表皮真皮接合部に免疫グロブリンや補体の線状の沈着がみられる.

 発熱などの全身症状を伴う例では,全身性エリテマトーデスの存在を常に意識しておくべきであり,血液検査(血算,白血球分画,生化学,抗核抗体,抗DNA抗体,リウマトイド因子,補体価,抗リン脂質抗体など),尿検査,胸腹部CT,心エコー,眼底検査などで診断,臓器障害のスクリーニングを行い,必要に応じて腎生検や神経系などさらに臓器障害の有無を検討する.

 皮膚エリテマトーデスやSLEの皮膚病変の評価に対してはcutaneous lupus erythematosus disease area and severity index(CLASI)が提唱され,臨床治験を含め広く使用されるようになった.皮疹の活動性を反映する急性の指標と慢性の指標を総合して点数化し,評価できる有用な評価基準である

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