病態
アミノ酸代謝異常症は,アミノ酸代謝にかかわる酵素の異常を原因として毒性物質の蓄積あるいは必要なアミノ酸の欠乏を引き起こすことで種々の臓器障害(特に脳,肝臓,腎臓)をきたす疾患である.新生児の踵から採取した微量血液検体を用いたマススクリーニングではタンデムマス法の開発により,現在では20疾患以上の代謝異常症を一度に検査することができる.アミノ酸代謝異常症では,フェニルケトン尿症,メープルシロップ尿症,ホモシスチン尿症,シトルリン血症1型,アルギニノコハク酸尿症の5つが対象疾患に含まれている.皮膚症状を呈する代表的なものはフェニルケトン尿症,高チロシン血症Ⅱ型,Hartnup病が挙げられる.
【病因・発症機序】①フェニルケトン尿症:必須アミノ酸であるフェニルアラニンをチロシンへ変換する酵素であるフェニルアラニン水酸化酵素の先天的異常による.血中にフェニルアラニンが蓄積されることで,知能障害
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