診療支援
治療

ポルフィリン症
Porphyria
波多野 豊
(大分大学教授)

病態

 ポルフィリン症は,ヘム代謝系酵素異常による中間代謝産物の蓄積により生じる.皮膚症状を主症状とする骨髄性プロトポルフィリン症(EPP),先天性骨髄性ポルフィリン症(CEP),および晩発性皮膚ポルフィリン症(PCT)と,皮膚症状と神経症状の両者を伴う異型ポルフィリン症(VP)と遺伝性コプロポルフィリン症(HCP),および肝赤芽球性ポルフィリン症(HEP),さらに皮膚症状を有しない急性間欠性ポルフィリン症(AIP)とALA脱水酵素欠乏性ポルフィリン症がある.光線過敏症を呈するX連鎖性プロトポルフィリン症を含めると,全部で9病型がある.皮膚症状を伴う主な病型について以下に述べる.

【病因・発症機序】EPPの遺伝形式は常染色体優性遺伝で,フェロケラーゼの活性低下による.CEPの遺伝形式は常染色体劣性遺伝で,ウロポルフィリノーゲンⅢシンターゼの活性低下による.PCTは,ウロポルフィリノーゲン脱炭酸

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