病態
穿孔性皮膚症は,種々の原因により変性した膠原線維,弾性線維,あるいは角質塊などが経表皮性に排泄される結果生じる皮膚変化である.病理組織学的所見(HE染色,Weigert染色,van Gieson染色)に基づいて確定診断をつける.
【分類】
①蛇行性穿孔性弾性線維症:特発性のこともあるが,Marfan症候群,Ehlers-Danlos症候群,Down症候群,弾性線維性仮性黄色腫,骨形成不全症,d-ペニシラミン内服患者に発症することが知られている.角栓を有する赤褐色の角化性小丘疹が線状,環状に配列し,全体として蛇行状を呈し,丘疹に取り囲まれた中央部は萎縮し瘢痕状となる(図15-2)図.通常自覚症状はほとんどないが,わずかに瘙痒を伴うこともある.②後天性反応性穿孔性膠原症:透析患者に多い.小指頭大前後までの淡紅色丘疹が体幹,四肢伸側などに多発する.中心部は陥凹し(中心臍窩),角質や壊死様物質をいれる(図15-3)図.透析に伴う痒みに対する搔破(微小外傷)が誘因となっている可能性が高い.③Kyrle病:透析患者,糖尿病患者に多い.角化性小丘疹で始まり,やがて増大して中央に円錐形角栓をいれるようになる.この角栓は容易に剝がすことができ,コップ状陥凹を残す.毛包には一致しない.丘疹は指趾,臀部に多くみられるが,他部位にも生じる.④穿孔性毛包炎:指趾,臀部の毛包一致性丘疹であり,丘疹中央には毛幹あるいは白色角質塊を認める.透析患者,糖尿病患者に多いが,尋常性乾癬,黒色表皮腫患者にも合併することがある.
診断
【鑑別診断で想起すべき疾患】蛇行性穿孔性弾性線維症,後天性反応性穿孔性膠原症はその特異な臨床像から診断に迷うことはない.Kyrle病,穿孔性毛包炎では痒疹,毛包炎などが鑑別疾患として挙げられる.
【診断のポイント】本症を疑ったら基礎疾患の有無を確認する.蛇行性穿孔性弾性線維症では角化性丘
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