病態
サンバーンは,紫外線,特にUVBによる皮膚の紅斑反応をいう.一度に大量のUVBに曝露されることで強い紅斑を生じ,熱傷となり,いわゆる日焼けとよばれる.反応が強い場合には浮腫,水疱を伴う.自覚症状として初期には疼痛を伴い,その後痒みを伴う.サンバーンの反応のピークは照射12~24時間後である.
【頻度】サンバーン患者が医療機関をどのくらい受診するかについての明確な報告は少ないが,紫外線曝露に対する意識が高まっていることから,受診者は減っている印象である.
【病因・発症機序】①10~30歳代が多いという報告があり,原因としては海水浴などの海辺のレジャーが多いが,野外音楽のコンサートや魚釣りなどで長時間炎天下で紫外線照射を受けて発症することもある.日光曝露の時間帯としては,正午を挟んで最も紫外線量の多い時間帯であることが多い.②病理組織学的には,UVBとUVC照射によりサンバーン細胞が表皮内に出現する.核が濃縮または消失し,p53やFasLを介したアポトーシスにより細胞質が均一に好酸性に染色される.サンバーン細胞は照射30分後に出現し,その数は24時間後に最大になる.作用波長は300nm以下である.これはDNAが回復不能の障害を受け,UVによりinitiationを受けた癌細胞を皮膚から除去するために生じたと考えられる.表皮の海綿状態と真皮浅層の血管内皮細胞は腫大し,血管周囲の浮腫,Tリンパ球・好中球・組織球の浸潤がみられる.
【臨床症状】日光曝露の数時間後から始まり,12~24時間でピークとなり,過度の紫外線に曝露された体幹,上肢,顔面に発生することが多い.紅斑,腫脹,水疱を形成する炎症反応でぴりぴりとした痛みを伴う.
診断
基本的には,患者からの申告に加え,問診と臨床症状から診断がつくことがほとんどであるため,皮膚生検を行うことはほとんどない.誘因が明らかでない場合は,外用歴や
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