診療支援
治療

鶏眼,胼胝
Corn,Callus
矢澤 徳仁
(みどりの森ひふ科クリニック院長)

病態

 主に足底,足趾に角化性病変でよくみられる皮膚疾患の1つである.単発することもあるが,多発することも多い.一般的に物理的圧迫により生じると考えられている.したがって,靴などの圧迫される部位(特に足底,足趾)に多くみられる(図19-13).特に女性ではハイヒールの影響も大きい.手指に生じる,いわゆるペンだこも胼胝の1つである.女性,特に高齢女性によくみられる.痛みがないこともあるが,痛みのトラブルを抱えていることも多い.鶏眼の場合は時にそれほど圧迫が起こりにくい部位に生じることもあるので,その発生のメカニズムが単なる圧迫だけなのかは検討の余地がある.時に手掌,手指にもみられることがある.歩行時に疼痛を生じることも多い.特に鶏眼ではしばしば伴う.

 鶏眼と胼胝の差違については,中心部がより角化が深部に向かっているものが,鶏眼,全体に広い角化が胼胝というように考えられる.


診断

 胼胝の場合は限局した角化局面であり,典型的な場合には臨床像から診断は容易である.しかしながら鶏眼の場合は時にウイルス性疣贅との鑑別が必要になる.その場合にはウイルス性疣贅でみられる点状出血の有無が鑑別のポイントの1つである.

 小児には頻度は少なく,小児の足の「ウオノメ」の主訴の場合には,ほとんどウイルス性疣贅のことが多い.


治療

 治療はメスなどで角化部を削り取ることであるが,一定期間後にはまた角化がみられるため,疼痛が出現する前に再度削ることで,歩行時のQOLを向上させることができる.足底の鶏眼,胼胝の痛みを放置しておくと,その痛みをかばうことで,膝,腰の痛みを生じることもしばしば経験するので,積極的に角化部を取り除き処置することは大切である.また圧迫を和らげる目的で,パッドの使用,シューフィッターによる靴の調整も重要である.

 糖尿病や膠原病の基礎疾患のある患者の鶏眼,胼胝も含めたフットケアはとても重要で

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