診療支援
治療

血管腫,脈管奇形
Vascular tumor,Vascular malformation
神人 正寿
(和歌山県立医科大学教授)

病態

 従来より,さまざまな血管病変に対して「血管腫」という病名が使用されてきたが,国際分類であるThe International Society for the Study of Vascular Anomalies(ISSVA) classificationが提唱されて以来,これらを血管腫(細胞の増殖あり)と脈管奇形(異常拡張で細胞の増殖なし)の2種類に分類することが多くなっている.血管腫としては良性型(乳児血管腫,先天性血管腫,tufted angioma,毛細血管拡張性肉芽腫など),境界型(Kaposi肉腫様血管内皮腫,他のまれな血管内皮腫など),悪性型(血管肉腫など)が含まれる.一方,脈管奇形には異常をきたす脈管により毛細血管奇形,静脈奇形,リンパ管奇形,そして動静脈奇形などに細分される.

【臨床症状】血管腫の症状としては,主に皮膚あるいは消化管や肝臓などの諸臓器に,1個あるいは複

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