診療支援
治療

肥満細胞症,色素性蕁麻疹
Mastocytosis,Urticaria pigmentosa
神戸 直智
(京都大学准教授)

病態

 肥満細胞(mast cells)が局所で異常増殖した状態である.WHO分類(2016)では,皮膚(cutaneous)肥満細胞症(MC:mastocytosis),全身型(systemic)MC,限局性の肥満細胞腫瘍(localized mast cell tumor)に分類する.皮膚MCはさらに,maculopapular MC(いわゆる,色素性蕁麻疹),diffuse MC,限局性の肥満細胞腫(localized mastocytoma of skin)に分類される.肥満細胞の活性化に伴って生理活性物質が放出されることによって特徴的な臨床症状を呈するとともに,肥満細胞と増殖因子を共有するメラノサイトの局所での増殖をきたし,特徴的な褐色斑が皮膚にみられる.

【頻度】人口30万人に対して2人程度と推定され,その多くは小児例である.

【病因・発症機序】皮膚に増殖した肥満細胞を調べると,肥満

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