診療支援
治療

皮膚および粘膜のカンジダ症
Cutaneous and mucosal candidiasis
下山 陽也
(帝京大学医学部附属溝口病院)

病態

 皮膚・粘膜のカンジダ症は,ヒトの粘膜,皮膚や消化管に常在するCandida属真菌による感染症である.大部分の原因菌はCandida albicansである.本症は基礎疾患をもたない健常者にも発症するが,糖尿病,膠原病,HIV感染症,血液疾患,免疫抑制薬や生物学的製剤の使用歴などを有する患者に発症する日和見感染症としても知られている.本症を繰り返す場合は基礎疾患や患者背景の検索が必要である.


診断

 視診のみでは確定診断することはできない.確定診断は病巣から採取した鱗屑,膿胞蓋,爪,白苔や粘膜の擦過検体などから,直接鏡検法で仮性菌糸や密生する分生子を確認することである(図28-13)Candida属真菌は常在菌であり培養検査のみで確定診断をすることはできないため,Candida属真菌が分離培養された場合は臨床症状と直接鏡検法の結果を併せて判断する.

1)病型

 皮膚・粘膜のカンジダ症は病変

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