病態
さまざまな原因により口角の皮膚と粘膜に炎症を起こした状態である.
加齢や歯の喪失,義歯の不適合などが原因で口角部の皺が深くなり,唾液がたまったり,食物残渣が付着したりして,皮膚が常に浸軟してしまうと生じるほか,フロスが頻繁にあたることなどが刺激となっている場合もある.反対にドライマウスも原因となる.
また,ビタミンB2,葉酸,鉄,蛋白などの欠乏によって生じ,口唇炎を伴うこともある.アトピー性皮膚炎やCrohn病に伴う場合もある.
【臨床症状】口角部に浮腫性の落屑性紅斑を生じる.亀裂が生じると開口時の疼痛を伴う.
診断
臨床像より明らかであるが,口角カンジダ鑑別のため鏡検を行い真菌の有無を確認する.培養の場合,常在菌を検出しただけかもしれないことに注意する.細菌感染を疑えば培養検査に提出する.他の疾患がたまたま口角に生じる場合があり,臨床像や問診により鑑別する.例えば,ヘルペス感染症は通常