遺伝が関与する皮膚疾患には,①単一遺伝子の変異により発症する遺伝性疾患(表皮水疱症や魚鱗癬など)と,②複数の疾患感受性遺伝子が複合的に絡み合って発症する多因子遺伝病(アトピー性皮膚炎や乾癬など)がある.①はさらに,全身のすべての細胞が変異を有している全身性の疾患と,発生途中に新たに生じた体細胞変異により発症するモザイク疾患(先天性巨大色素性母斑や列序性表皮母斑など)に分けられる.本項では,主に①について解説するが,②も近年,genome-wide association study(GWAS)により疾患と関連するSNPや遺伝子座が特定されてきており,定期的に文献検索を行い,知識をアップデートしておく必要がある.
診断
一般的に,遺伝性皮膚疾患の診断は,臨床所見,病理所見,遺伝形式,遺伝子検査などに基づいてなされる.各疾患の臨床所見,病理所見については,他項に詳細な記述があるため,本項では割
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