本書は,診療行為「患者さんや家族に対する医療説明」がどの程度内科医師への仕事上の負荷になっているのかについて,一般社団法人内科系学会社会保険連合(内保連)が行った調査の結果を踏まえて編まれた“医療説明の便覧(マニュアル)”ともいえる書物である.
本書の大部分を占める各論では,内科分野の主要な検査・治療81項目について,現場での説明時に用いることができるよう,統一されたフォーマット(病状,目的,検査や治療の方法,主な合併症・副作用,利益と不利益,代替法,費用)に則って,全体的に要点が簡潔に記述されている.多くの内科医にとって,自分自身が専門としている診療分野以外の検査や治療についての説明は,実際上,自分自身が病気になったときか家族が病気になったときにしか関わる機会がないことから,本書は医療の最前線で幅広く行われている検査・治療について,知識を最新化するうえでも有用である.いわんや,医師以外