内科系学会社会保険連合「説明と同意」委員会委員長 蝶名林直彦
1)本書『標準的医療説明』作成の経緯
冒頭に記載したように内科系学会社会保険連合(内保連)の調査結果から意思決定支援のための説明のいくつかはかなり医療負荷度の高いことが明らかとなっています.一方,すでに日本内科学会において「より良いインフォームド・コンセント(IC)のために」として標準的な説明の成書があるものの,かなり年月が経っています.そうしたことから,各領域において比較的難易度が高く時間のかかる説明を選択し,また悪性腫瘍に対する検査や治療を大幅に追加して,今回最新版として標準的な医療説明の手順を示すものとして作成されました.
2)説明文書の基本的構成
本書各論の個々の説明文書の内容は,基本的には以下の項目を含んで記載されており,治療・検査とも原則的には同じ項目・順序で記載してあります.
①現在の病状・病態の説明 ②治療(検査)目