診療支援
患者説明

局所麻酔下胸腔鏡生検
清水宏繁
(東邦大学医学部内科学講座呼吸器内科・助教)

1.現在の病状・病態

 肺表面の膜(臓側胸膜)と胸壁内面を覆う膜(壁側胸膜)に囲まれた空間(胸腔)に胸水が貯留しており,胸部X線や胸部CTで認められます.

 胸水の原因は,肺癌,悪性胸膜中皮腫や転移性腫瘍などの悪性腫瘍,肺結核,膿胸などの感染症,関節リウマチ,シェーグレン(Sjögren)症候群などの膠原病などが主に考えられます.

2.検査目的

 直視下で胸膜や胸水から検体を採取し,細胞の種類や原因菌を判別することで胸水および胸膜疾患の原因を診断することを目的とします.

 局所麻酔下胸腔鏡検査は呼吸器疾患の診断のために重要な検査で,通常は安全に実施することができます.

3.検査法の概略と効果

 誤嚥を防ぐため,検査前は6時間程度を絶食とし,少量の飲水は検査前2~3時間を目安に禁止としています.

 検査台へ移動し,検査側を上に横向きの姿勢になります.

 準備段階として,血圧計,心電図,酸素飽和度測定装置などを

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