診療支援
患者説明

肝がんの局所治療選択とラジオ波焼灼療法
村島直哉
(三宿病院消化器科)

1.現在の病状と病態

 肝細胞がん(以下肝がん)が見つかりました.大きさは(   )cmで肝臓の同じ区域中に(   )個ありました.この大きさは大きいものではありませんし,転移もありません.「原発性肝癌取扱い規約第6版補訂版」による分類では,ステージ1(初期)から4までの間のステージ(   )と診断されます.

 腫瘍マーカーはAFP(   )・PIVKAⅡ(   )であり,上昇しています.今後,治療後にこれらの値が低下するかどうかで治療の効果判定が可能です.

 慢性肝炎では,抗ウイルス薬で治療し,ウイルス血症がなくなっても肝がんができる場合がしばしばあります.ですから,今回の肝がんが治療できてもまた別の部位に再発する可能性があります.また,治療に伴って,体には少なからずダメージがかかりますので,安全にかつ完全に治療することはもちろんですが,その後の日常生活で支障をきたさないよう,肝臓と体に与える影響を最小限にする治療法を選択することも必要です.

 つまり,肝機能がよい患者さんに対して行う治療と,肝機能が悪い患者さんに対して行う治療を区分する必要があります.肝機能の良し悪しは,Child–Pugh分類や肝障害度にて点数化あるいは数値化されています.あなたのChild–Pugh分類での点数は,(   )点になり,A/B/Cのうち(   )にあたる肝機能です.

 以上の状態を,『肝癌診療ガイドライン2017年版』の治療アルゴリズム1)にあてはめますと,ラジオ波焼灼療法(radiofrequency ablation;RFAということもあります)による治療を勧めます.

2.治療目的

 肝がんが3cm以下3個以内で,ラジオ波焼灼療法(局所麻酔下に肝がんを針で焼く治療)が適応になります.肝臓を穿刺するので,出血傾向があるとき,腹水が多くあるとき,十二指腸乳頭切開術や胆管消化管吻合術を過去に受けている

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