1.現在の病状・病態
腎臓は血液を濾過して尿を作り,これを体の外に排泄しています.腎臓の働きが10%以下にまで低下すると,自分の腎臓では自分の体を浄化しきれなくなり,老廃物が蓄積して倦怠感,食欲低下,悪心,嘔吐,頭痛などの尿毒症状が出現します.すなわち体液のバランスが取れなくなり,息切れや呼吸困難が出現し,放置すると生命に危険が及びます.この場合,廃絶した自身の腎臓機能の代わりに透析療法,あるいは腎臓移植で血液を浄化する必要が出てきます.
2.治療目的
透析療法の目的は普通に生活ができる状況への改善にあります.透析療法は腎臓病の治癒を目的とする治療でなく,一生持続しなければならない腎機能の代替療法です.
3.治療法の概略と効果
末期腎不全の腎代替治療法として,①血液透析,②腹膜透析,③腎移植の3つがあります.
1)血液透析を選択した場合
その準備に手術(内シャント手術あるいは透析カテーテル挿入術