診療支援
患者説明

腎生検
酒井 謙
(東邦大学医療センター大森病院腎センター・教授)

1.現在の病状・病態

 腎生検とは,蛋白尿あるいは血尿という尿異常や,尿所見がない場合においても,原因不明の腎機能低下に関して有用かつ正確な診断を得る方法です.腎疾患を病理学的に診断し,予後や治療効果を推定し,治療方針を決定できます.具体的には,検尿異常,急性腎不全,ネフローゼ症候群,移植腎が適応として挙げられます.

 腎生検の絶対禁忌としては,患者本人や家族の同意が得られない場合,安静が得られず血管や他臓器損傷のおそれのある場合,明らかな尿路系感染症(腎盂腎炎など),および腎癌が疑われる場合です.また,出血傾向,片腎(腎臓が1つしか存在しない場合で,移植腎を除きます),萎縮腎,管理困難な高血圧がある患者ではハイリスク病態であるため慎重な対応のもとで行うことが必要とされています.

2.検査目的

 腎生検により,病名,重症度,治療への手がかり,臨床病期が判明します.

3.検査法の概略と効果

 入院のうえ

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